2021/03/06
2021/03/06 1:32
眠れない深夜。暗い虚空を眺めるのにも飽き飽きしてきた。ので、誘蛾灯に集まる虫けらのように、陽の光のまがい物に惹かれる憐れな矮小物と化す。
目を開ければ真っ暗な部屋、閉じれば真っ暗闇の将来。不安が募り、心は蝕まれ、希望は失望に摘まれる。ただただ暗いどんよりしたヘドロが心にへばりつく。
ヘドロに覆われた自分の心は周りから見れば悪臭漂うものだろう。ただ、中にいる私はどこか安心感を持っているのだ。それは安寧ではなく停滞であり、安住ではなく不十分な不純物である。
人はそれを見て私に水を浴びせかける。汚い汚物はきれいな水で洗い流してしまえと。こびりついたヘドロは水を飲み、より堆積を増すばかりだというのに。
誰しもが、誰からかの言伝のように同じような文言で嘯く。それは救いであり、蜘蛛の糸でもあり、谷底から見る光でもある。それは決して差し伸べられているものではなく、昇りきった者が見下ろしているだけのことである。
心のヘドロをどうにかするには、現実と同じように凍らしてしまうしかない。今の自分を全て遮断し、なにもない自分をもう一度一から作り直すしかない。今までの積み重ねた時間はそれを否定するというのに。
こうして私の心は停滞する。心を凍らせる暇もなく、ヘドロに塗れた心はただ沈みゆく。